大化の改新以降、日本は唐のように天皇を中心とした集権体制をとる安定した強い国を目指していました。
唐にならい、大宝律令が制定(701年)され、平城京がつくられます。また、その流れで度量衡を統一し、税収や経済の安定をはかるために貨幣を流通させようとします。
そして、日本初の流通貨幣である和同開珎がつくられました。
今回はそんな和同開珎発行の年号(708年)の覚え方や概要についてご紹介します。
目次
和同開珎とは?
(和同開珎 出典:Wikipedia)
和同開珎とは、708年に鋳造された日本ではじめての流通貨幣です。
銅でできているコインで、真ん中に四角い穴があいています。唐の「開元通宝」がモデルだといわれています。
708年、元明天皇のとき、武蔵野国秩父郡(現在の埼玉県秩父市)で、質のよい銅がたくさんとれる鉱脈が発見されます。このいいニュースで元号を「和銅」と改めました。さらに貨幣に必要な銅の発見もあって、和同開珎が鋳造され、流通がはじまりました。
和同開珎がつくられた主な理由は、以下のとおりです。
作られた理由
✔ 7世紀の日本では税は米・麦や織物などの物で納めていて、市場でも物々交換が主流。貨幣で安定した税収を得るため、また、市場でも公平な取引をするためにも流通貨幣が必要でした。
✔ 公平な度量衡制や明確な法がなければ、自国で鋳造した流通貨幣はつくれません。貨幣があるということは、日本が唐のようにしっかりした国であるという証明になります。
和同開珎は貨幣になじみがなかったため、畿内とその周辺以外ではなかなか流通しませんでした。
大和朝廷は和同開珎の流通を促すために、税を貨幣で納めさせたり、地方から税を納めに来た旅人に旅費としてお金を渡すなどします。
711年には蓄銭叙位令がだされ、一定の貨幣を蓄えた者に官位を与えることにしました。
しかし、地方で蓄えられた貨幣が流通せずに、死蔵してしまったため、800年に廃止されました。
【和同開珎の語呂合わせ】発行された年号(708年)の覚え方
和同開珎発行の語呂合わせ①
菜っ葉(708)と交換和同開珎
最も有名な語呂合わせですね。
和同開珎発行の語呂合わせ②
お金になれや(708)、和同開珎
和同開珎はなかなか流通しませんでした。はやく流通してお金の役目を果たせますように。
和同開珎発行の語呂合わせ③
銅に名(7)を(0)焼(8)き入れて、和同開珎
和同開珎という名を焼き印して、銅のお金ができました。
和同開珎発行の語呂合わせ④
なれ(70)!初(8)のお金に!和同開珎
初めての流通貨幣として和同開珎がつくられました。
和同開珎発行の語呂合わせ⑤
市場でなお(70)役(8)立ちますように。和同開珎
物々交換が主流だった時代に、和同開珎という貨幣が役立ってつかわれますようにという願いを表します。
和同開珎発行の語呂合わせ⑥
慣れ(70)ないお金は(8)使えない和同開珎。蓄えない(71)といい(1)位につけないよ和同開珎。
お金になれてないためあまり流通しなかった和同開珎。畜銭叙位令でいい位につくために蓄える必要があります。
以上、和同開珎発行の語呂合わせでした!