
現在では義務教育を受けることは、当たり前のことと認識されています。
明治時代の初め、貴重な労働力である子供が学校へ行くことは、時間を取られるため反発も多い出来事でした。
そんな中、フランスの教育制度を取り入れて始まった義務教育制度が「学制」です。
今回はこの学制の概要・公布年号の覚え方(語呂合わせ)についてご紹介します。
目次
学制とは?
学制とは、1872年(明治5年)に始められた義務教育制度のことです。
日本の教育現場としては、読み書きそろばんを教える寺子屋などは既にありました。
しかし、明治政府は近代化のための教育の基礎を作るため、フランスの制度を参考にして学制を作りました。
学制は教育機関である大学・中学・小学校を学区で分け、就学率を上げることや教員の養成などを目指しました。
区分けは初めに8つの大学区に分け、さらに1つの大学区の中に32中学区、1中学区に210小学区とし、最終的に53760の小学校を置くことにしました。
性別を問わず6歳以上になると通う小学校は義務教育とし、その他にも職業校として農業・通弁・商業・工業の諸民学校が定められました。
なぜ新しい教育制度は必要だったのか?
近代化を進めて行くプロセスで、必要な情報を伝達し取り交わすためには、全国どこでも通用する標準語の取得も必須だったことでしょう。
教育方針は合理主義の考え方に基づくもので、それまで寺子屋などで使用されていた教科書は廃止されました。
ただし、修身(現在の道徳)の授業内容に儒教的な価値観も取り入れるなど、西洋礼賛だけではなく旧来の思想も残しました。
しかし、政府の思惑とは裏腹に一般庶民からの反発は強く、学制反対一揆なども起こりました。
子供も稼ぎ手である農家・商家では必要最低限の読み書き・算術ができれば問題がないと思われていたため、一家の働き手の一人を奪われることには疑問を持ちました。
それでも徐々に小学校に通う子供は増え、小学校の教師を養成する師範学校なども作られて行きました。
その後、さらなる教育制度改善のため「教育令」が出されることになり、1879年には役目を終えます。
【学制の語呂合わせ】公布年号(1872年)の覚え方!
学制の語呂合わせ①
学制を推進一派(18)は何(72)思う
大きな目的を持って教育改革を行いました。
学制の語呂合わせ②
学制を強要されて火花に(1872)なった
突然の状況に農村も混乱します。
学制の語呂合わせ③
冷や(18)冷やしながら夏(72)から始めた学制
夏に始めた制度ですが、内心はドキドキしていたでしょう。
学制の語呂合わせ④
学制は嫌なふ(1872)たん
働き手を取られることは損害です。
学制の語呂合わせ⑤
学制というヒット放つ(1872)
義務教育制度の導入は大ヒットかもしれません。
以上、学制の公布年号の語呂合わせでした!