12世紀の末、武家政権としての鎌倉幕府が成立しました。
しかし、承久の乱で幕府の優位性が確立するまで、幕府が東日本を朝廷が西日本を支配するという二重構造が続いていました。
幕府の勝利によって、その支配が全国におよぶことになりましたが、武家の慣習や倫理観に基づいたルールは各地域で異なっていたため、一般的なルールを作らなければなりません。
このために制定されたのが御成敗式目です。
御成敗式目は最初の武家法として重要ですので、概要と年号をしっかり学習しておきましょう。
目次
御成敗式目とは?
(北条泰時 出典:Wikipedia)
御成敗式目とは、1232年、鎌倉幕府第3代執権北条泰時によって制定された武士政権のための式目、つまり法令のことです。
これは、御成敗の文字からも想像できるように裁判のためのルール。
源頼朝以来の先例や、道理と呼ばれた武家社会での慣習的なルール、武士たちの正義感情をもとにして作られました。制定年の年号にちなんで、貞永式目といわれることもあります。
御成敗式目は、漢字をあまり読めない武士にもわかりやすいように書かれた51カ条の法典です。
これは、裁判に関する規定をまとめたものですが、結果として御家人の権利と義務を明らかにするものになっています。
幕府の支配領域が拡大したことによって、御家人と荘園領主、御家人と西日本の農民との間に生じる争いが大きく増えました。
御成敗式目は、これらの紛争を公正に解決し、御家人の利益を守って幕府支配体制の安定をはかるものといえます。
ただし、御成敗式目の通用する範囲については注意が必要です。
泰時が、当時は京都で六波羅探題をつとめていた弟の北条重時に宛てて書いた手紙からもわかるように、御成敗式目はあくまでも武家社会、御家人たちのための法であり、律令以来積み重ねられてきた、それまでの法令を否定するものではないという点です。
つまり、朝廷を中心とする公家社会には公家法が、荘園には荘園領主の法である本所法が適用されるということです。
【御成敗式目の覚え方】年号(1232年)の語呂合わせ
御成敗式目の語呂合わせ①
一文(123)に(2)御成敗式目
昔から言われてきた定番の語呂合わせの1つですが、それまで明文化されていなかったものをまとめた法典であるという点に注目して「ひと(1)ふ(2)み(3)に(2)」と覚えましょう。
御成敗式目の語呂合わせ②
1日(12)3人(32)裁く御成敗式目
これも①と同じく、昔から言われてきた定番の語呂合わせの1つですが、3人という人数にこだわらず、裁判のためのルールという点に関わらせて「いち(1)にち(2)さん(3)にん(2)」裁くと覚えましょう。
御成敗式目の語呂合わせ③
御家人の人に(12)満つ(32)、御成敗式目
御成敗式目は適用範囲が限定されている、御家人のために制定された法であることに関わらせて、御家人の「ひと(1)に(2)み(3)つ(2)」と覚えましょう。
御成敗式目の語呂合わせ④
争いの否認(12)はサジ(32)加減、御成敗式目
御成敗式目の制定以降、御家人に関わる訴えがこれによって決定されることに関わらせて、争いの「ひ(1)にん(2)、さ(3)じ(2)」加減と覚えましょう。
御成敗式目の語呂合わせ⑤
裁判をいつ(12)見に(32)行こう御成敗式目
御成敗式目が裁判のためのルールという点に関わらせて、裁判を「い(1)つ(2)み(3)に(2)」行こうと覚えましょう。
以上、御成敗式目の語呂合わせでした!